吉本ばななさん
初期作品は学生時代に読んでいたけど
社会人になってからは、人の人生に感情移入する余裕がなくなってしまい、小説自体から遠ざかっていた
最近、吉本ばななさんのクラファンnoteを読んだ。
あぁ、典型的なアダルトチルドレンなんだな、とわかった。
私はそこまでわかりやすい事態にはなってないけど、あーはいはい知ってる、という感じの家庭環境だった
その後、色々記事検索していたら、小説「デッドエンドの思い出」についてばななさんの言葉「これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました」というのを見つけて、素敵、と思って本を借りてみた。
その中の短編「おかあさーん!」を読んだとき、嗚咽レベルで泣くことになった
肺のあたりが深く震えるような、
過去から湧き出てくるような。
身体が何か覚えていたのかな
アダルトチルドレンの人や、何か事故や犯罪系のトラウマを抱える人なら、この短編に書いてあることがわかるのでは?
それはもう、苦しいほどに
一見ファンタジーなんだけど、
傷ついたあとの回復の過程がとてもリアルに
丁寧に描かれている
そう、ことが起こった直後はわからないのよ
大丈夫なふりしていつも通りに過ごせる気がする
実際、ある程度過ごせてる
なのに、ふとした瞬間に余裕なくなっちゃって
コントロールできなくて
よりによって大事な人に当たってしまう嘆かわしさ
「虐待された子どもは、自分の体の痛みと心を切り離すことができる」という引用が刺さった
私は暴力はそんなに振るわれてないけど、言葉や態度でネガティブを22年間浴び続けた過去がある。
やっぱり、私も、体と心が分離してたんじゃないかな?
この短編を読んでいる最中にすぐ泣けたのは、
体の震えがキャッチできたのは、
今までコツコツ体と仲良くなろうとしてきたからなんじゃないかな
だからすぐに体が反応したし、感知できた
主人公は日向の原っぱのような、穏やかないい子
普通は怒りや黒い感情がもっとあると思うけど
どこかほわんとしている
ばななさん自体が温かそうな人だしな。文章を読む限り。
実際はもっと長い間、引きずると思うけど
主人公は前を向いて歩き始めた
そこはあえてリアルに描かなかったのかもしれない
この短編の最後の文章がとても好き。
最後に引用して終わろうと思う。
私も心のどこかでそう思ってるし、願ってる。
“この世の中に、あの会いかたで出会ってしまったがゆえに、私とその人たちはどうやってもうまくいかなかった。
でもどこか遠くの、深い深い世界で、きっときれいな水辺のところで、私たちはほほえみあい、ただ優しくしあい、いい時間を過ごしているに違いない、そういうふうに思うのだ。”
出典: 吉本ばなな『デッドエンドの思い出』「おかあさーん!」より