高校入学後、席が近くて仲良くなった友達
色素が薄くて小柄、顔も可愛らしく、
どこにも角がないような、素直な子だった
私は一目で癒され、好きになった
5月の修学旅行は一緒に回った
歩くペース、話すペースがおんなじくらいだった
同部屋の女子たちが繰り広げる恋バナをBGMに、
マイペースなその子と私は早々に熟睡した
ある日その子が「勉強って楽しいよね」とナチュラルに口にしたとき、私は驚愕するとともに、何かが許されたような、ほっとした気持ちになったのだった
だってそれまで、荒れた中学校で、勉強してないアピールをしないといけないような環境にいたから
わざと授業を遮ってケラケラ笑う人たち
うるさいし、そちらの流れに逆らえないような空気感が嫌だった
私はガリ勉した
世間体を気にする親の圧ももちろんあったけど、この中学の人たちから遠ざかりたい気持ちも強くあった
晴れて高校に入学し、初めて授業を受けた時の感動は忘れられない
それはもう静かだったのだ
誰も先生を馬鹿にしない
望んでいた現実がそこにあった
その極め付けがさっきの「勉強って楽しいよね」というひとこと
私にとって受験勉強は苦しかったけど、全く楽しくなかったわけじゃない
同じくらい勉強した人たちとは、勉強の楽しさも分かち合えるのかと嬉しかった
でも、その友達が人目を気にせずそんなことをさらっと言ってのけることに眩しさを感じたのも事実だった
他にもその子には驚かされたことがある
部活に入らなかった
バイトするわけでも、習い事で忙しいわけでもなく、ただ入らなかった
入らない人は2割もいないよ、早く部活を決めないとという空気の中、その子は「私はその2割になるよ」と言った
好きな芸能人を素直に言える(「面食いだな」「ミーハーだな」と思われかねないようなイケメン芸能人)
周囲がクスクス笑うと、その子もえへへっと笑って場が和んだ
昼休みに友達に合わせてないと変な人と思われそうな空気感の中、お弁当の集団をさらりと抜けて、排便のために悠々とトイレに籠りに行っていた
わたしにはとても出来ないことを
その子はいとも簡単にやってのけた
少数派の自分を責めない、恥ずかしがらない
その姿勢が私の記憶に眩しく残っている
当時のぐちゃぐちゃした怯えや打算を抱える私にとってその子は綺麗すぎて、
いわゆる親友ポジションにはなれなかった
でも、波長が合ったのだろう
2 〜3番目に仲のいい立場として、つかず離れず高校一年を過ごした
本当は、もっと仲良くなりたかったな
ありのままの私で