新卒で入った会社を3年で退職した日、
帰ってきてから先輩からメールが届いた。
近い距離で、お世話になった女性の先輩から。
「本当にnanohaさんらしいよね。個性があるよね。いいな」って、書いてあった。
個性?
特に出そうとはしていない。
というか、いかに変だと思われずに普通に見えるように全神経を集中させてきたのだけど。
そんなに独特だっただろうか。
まあ、変人と言われることはあるけれど。
確か、先輩には最終日にこんな手紙を渡した。
上手く話せないから、文章でまとめておこうと思って。
「〇〇さんは雲の上の存在と思ってあまり話せなかったけど、でも一緒に仕事するなかで努力の跡も見えたりして…」
あとは忘れちゃった。
便箋も選んで買ったかな。
先輩に合いそうな緑色の。
手書きで書いたな。下書きもして。
先輩には、確かに尖った個性はなかったかもしれない。
でも、だからこそ、色んな人とナチュラルに関われるのにね。
変に癖が強かったり、激しい選り好みをしないからこそ、色んな人が抵抗なく近づける。
そこが先輩の魅力なのにね、私にはできないから羨ましいけどな、と心の中で返事をした。
先輩に返信できなかったのは、
浮かんだ言葉たちを人が読めるように整える気力が残っていなかったから。
一度返信したら、いつまでラリーが続くのかハラハラして気が休まらないから。
そしてその時の私は、「会社の人」から一刻も早く離れたかったから。
「言葉にしなかったら、なかったことと同じなんだよ」と、頭の中の誰かが今でも責めてくるけれど、できなかったな。
ごめんなさい。